一言で「カーテン」といってもその種類は豊富で、現在では様々な吊り方やスタイル、機能性を持ったものがあります。洋服と同じように、毎年新しいデザインが発表されているのです。
インテリア空間で大きな面積をもつため、カーテンを変えるだけで大きなイメージチェンジになります。
カーテンも一つのファッションと捉え、より身近に感じていただけるよう、ここではウィンドートリートメントの役割について説明します。
現在のカーテンは窓辺にかけるものというイメージがありますが、始まりはベッドまわりの覆いで、寒さを防いだり、プライバシーを保持し安らげる空間を確保するために使われました。現在の天蓋付ベッドのようなものです。
ヨーロッパでは古くから壁装飾として使われました。
これは、石壁作りの住まいが見た目にも、実際にも寒かったから。
外敵や自然の脅威から守るには最適の石壁も、居住空間としては冷たく、圧迫感があります。
少しでも心地よく、と考えられたのが壁に布を飾る方法。実用性と装飾性を兼ねたアイデアだったわけです。
16世紀、ガラス窓の普及とともにカーテンは大きく変化します。ウィンドートリートメントの原点です。
それまで、小さな窓を引き立てるための装飾品にすぎなかったカーテンも、生地をたっぷり使ってヒダを取り、フリンジで縁取りをしたりと次第に豪華になっていきました。
その姿はさながらドレスを身にまとった貴婦人といったところでしょうか。
ちなみに、二重に掛けるスタイルが登場したのはナポレオン旋風が吹き荒れた19世紀です。
日本では寝殿造りが主でしたから、柱と柱の間を「御簾」や「几帳」などで覆っていました。
「御簾」とは竹を細く削った棒を絹糸でつないだ、すだれを豪華にしたようなもの。
「几帳」は織物を何枚か縫い合わせて垂らしたもので、衝立式になっていました。
どちらもよく平安絵巻などに描かれているので想像できる方も多いのでは。
日本では寝殿造りが主でしたから、柱と柱の間を「御簾」や「几帳」などで覆っていました。
「御簾」とは竹を細く削った棒を絹糸でつないだ、すだれを豪華にしたようなもの。
「几帳」は織物を何枚か縫い合わせて垂らしたもので、衝立式になっていました。
どちらもよく平安絵巻などに描かれているので想像できる方も多いのでは。
ヨーロッパでは曲線的でドレスのようなカーテンですが、日本では直線的で着物を連想させます。
それぞれの文化、ファッションとカーテンは密着しているんですね。
「ウィンドートリートメント」とは、カーテン・ローマンシェード・ブラインド・ロールスクリーンなど、窓まわりに掛けられるものの総称。ライフスタイルや好み、部屋の用途、周辺環境などにより重要となる要素も変わります。
対象となる窓について、優先順位を整理して生地とスタイルを選びましょう。
ウィンドートリートメントの役割には大きく分けて「装飾性」と「機能性」の2つの特徴があります。
「装飾性」と「機能性」は残念ながら両極に位置する特徴でもあります。
つまり、装飾性を重視すれば機能性が低下し、機能性を重視すれば装飾性が低下してしまいます。
例えば、ミラーカーテンやウェーブロンカーテンは外からの視線をさえぎる代わりに柔らかいドレープ感が出なかったり、透過性が悪く室内では重たく感じる、など。
これらの特性をうまく組み合わせて希望のカーテンを手に入れるため、先に述べた「優先順位を整理する」必要があるのです。
最近では、カーテンとシェードを組み合わせたり、レースカーテンを部屋側に吊るすスタイルもずいぶん目にする機会が増えてきました。それでも、まだまだ「シェード」とは何か?と思っている人やレースは窓側が当たり前、と考えている人も多いと思います。
しかし、前述したとおりカーテンもファッションの一部です。どんな使い方もアイデア次第なのです。
一般的にコーディネートを考える場合、主色となる色は3色に抑えるとまとまりのある形になると言われています。基本となる3色をベースに濃淡などでバリエーションを加えていくといいでしょう。
室内で大きなスペースを持つことになるこの3点が主色の3色と考えると組立やすいです。
家具は部屋の中心的存在になりやすく、目立つのでこれとの色が合わないとチグハグな印象になってしまいます。
コントラクトの強い配色は、力強く活動的な印象になりますが、失敗すると品がなくなってしまうので上級者向けと言えます。また、コントラクトの弱い配色は穏やかですが、平凡でつまらない印象になりがちなのでアクセサリーやカーテンレールなどでアクセントカラーを入れ、引き締めるポイントを作りましょう。
作りたい部屋のイメージに合ったものを選びます。
一般に分けられるカテゴリーと柄は以下のようになります。
シンプルに仕上げたい場合はできるだけ曲線のないスタイル(ローマンシェード/フラットカーテン/ブラインド/バーチカルブラインドなど)をお勧めします。くつろぎの空間、柔らかい雰囲気に仕上げたい場合は程よくボリューム感を持たせ、レギュラーカーテンスタイルがいいでしょう。より豪華にしたいエレガントやトラディショナル(クラシック)ではデザイン性の強いスタイルやバランスと合わせると格調高くなります。
memo
シェードスタイルのみになるとシンプルでスッキリする半面、単調でつまらなくなってしまう場合もあります。(シャープなモダンスタイルの場合はそれでもいいのですが)そんな時はカーテンと組み合わせると調度いいボリューム感を保てます。また、アクセントに装飾レールなどを使うとワンランクアップします。
memo
最近はオパールレースやカラーボイルなど、こだわりのある薄地がたくさんあります。レースはドレープに比べ人目に付く時間が多いためこちらをメインに考えるコーディネートも増えてきました。
レースを部屋側に吊ることで、夜でも圧迫感なく軽やかな印象になるのも人気の一因なのでしょう。
生地にはそれぞれの特性や良さがあります。どのスタイルにすればきれいに見せることができるのか、また、部屋の広さや窓の大きさに合わせスタイルを選ぶといいでしょう。
現在、カーテン生地の大部分をしめる。熱に強いため形状記憶に対応。汚れ落ちは普通だが、再吸着するため浸し置きするとあまりきれいにならない。
毛(ウール)に似た風合い。
絹に似た風合い。
一部の装飾糸として使用されることが多い。
プリント地に多く使用される。
洗濯による収縮を防止するための防縮加工を施しているものもある。
綿やポリエステルとの混紡や交織されたものが多い。
独特な風合いの天然素材。
高価。
日光から守るため、裏地を付けるのが一般的。
合成樹脂を塗り、遮光性や防水性、保温性を高める。
生地の裏にウレタンフォームや塩化ビニルなどの薄いフィルムを張り付けて強度と遮光性を高める。
あらかじめ蒸気で生地を縮ませておくこと。綿やレーヨンに使用します。
においを化学的に中和、分解して取り除く。
抗菌剤を繊維内部へ固着させる加工。SEKマーク。
帯電しにくく加工したもの。
燃えにくくする加工(難燃性) カーテンは「イ」ラベル。
ローラーで生地に加熱・加圧して浮き彫り模様をつける。
生地に波形や木目の模様をつける。
薬品で部分的に生地を溶かして柄を透かし出す。
カーテンを吊り下げた状態で蒸気をあてる簡易タイプと、生地の状態で波型の型に挟み真空釜に入れるタイプがある。
簡易タイプでは3回程度、真空釜タイプでは5回程度洗濯しても美しいプリーツが保てます。
ウィンドートリートメントはこだわっていけば、どんどん奥深く進んでいきます。
ただ、実際そのお家に住まわれるのは貴方ご自身です。
こだわるべきところ、シンプルにおさめるところを見極め、お客様の好みのイメージに少しスパイスを振りかけて心地よいお部屋に仕上げることやスタッフの経験からくるアドバイスがリブズコアのお手伝いできることだと思っています。
リブズコアには少し個性の強いカーテンもございます。
楽しくお選びいただけることでしょう。
これじゃ「教えて店長」じゃなく、「おしえてチーフ」ですね・・・
次回は僕ががんばりまぁす!